【宮城県全域対応】一般貨物自動車運送事業許可|2026年4月法改正で何が変わる?【第1回】

一般貨物自動車運送事業とは?
一般貨物自動車運送事業は、他人の需要に応じて有償で貨物を自動車により反復継続して運送する事業です。根拠法は貨物自動車運送事業法で、国土交通大臣(実務上は東北運輸局宮城運輸支局など地方運輸局)の許可が必須となります。
許可が必要となる2つの要件
- 「有償」であること – 運賃を受け取って運送する
- 「反復継続」して行うこと – 一度きりではなく継続的に事業を行う
重要ポイント: 自社の商品を自社車両で運ぶ自家用運送は原則許可不要ですが、他社の荷物を運賃をもらって運ぶ場合は必ず許可が必要です。
宮城県内で運送業を始める場合:
仙台市、石巻市、気仙沼市、登米市、栗原市、大崎市などの宮城県全35市町村で事業を行う場合、東北運輸局宮城運輸支局(仙台市宮城野区扇町に所在)への許可申請が必要です。
一般貨物自動車運送事業の種類と区分
事業形態は複数あり、混同しやすいため正しく理解することが重要です。
一般貨物自動車運送事業(いわゆる「一般」)
不特定多数の荷主・貨物を扱い、自社で車両と運転手を確保する形態。宮城県内の中小運送事業者の多くが該当します。
宮城県の特徴:
仙台港からの港湾輸送、石巻・気仙沼の水産物輸送、大崎・栗原の農産物輸送、仙台都市圏の配送、県南の工業団地からの部品輸送など、地域特性に応じた運送ニーズがあります。
特別積合せ貨物自動車運送事業(特積)
複数の荷主の貨物を混載し、拠点間輸送(ターミナル方式)を行う路線便。ヤマト運輸、佐川急便などが典型例です。新規参入は極めて困難とされています。
貨物利用運送事業(第一種・第二種)
自社車両を持たず、他社の実運送事業者に委託して手配・取次を行う形態。近年「利用運送からスタートし、後で一般貨物へ移行」する相談が増えていますが、独自の要件とリスクがあります。
特定貨物自動車運送事業(特定)
特定の一社(またはグループ)のみを荷主とする形態。要件は一般より緩やかですが、荷主変更で違法状態になるため柔軟性が低いです。
貨物軽自動車運送事業(軽貨物・黒ナンバー)
許可ではなく届出制。資金・人的要件が大幅に緩く、近年急増しています。
注意: 一般貨物とは運行管理・労務・安全対策・継続性審査がまったく異なります。「軽貨物の延長」で一般貨物を考えると不適合になる可能性が高いです。
【2026年4月1日施行】法改正の主な内容
令和6年(2024年)公布の改正貨物自動車運送事業法(および関連法)の一部が、2026年4月1日から施行されます。国土交通省報道資料・改正法に基づく主な変更点は以下の通りです。
変更点1: 違法な「白トラ」対策の強化
改正内容:
- 荷主等が無許可の白トラ事業者に委託した場合、処罰の対象となります
- 疑いがある場合、国土交通大臣から要請・勧告・公表が可能に
- 荷主側の責任が明確化されます
宮城県内への影響:
宮城運輸支局管内でも白トラ対策が強化されます。仙台市、石巻市、名取市、多賀城市、岩沼市など県内各地の荷主企業も、委託先が適正な許可を持っているか確認が必要です。
変更点2: 再委託(下請け)の回数制限
貨物自動車運送事業者および貨物利用運送事業者に対し、再委託を2回以内(実運送は原則3次請けまで)とする努力義務が課されます。多重下請け構造の是正を目指します。
変更点3: 貨物利用運送事業者への義務拡大
実運送体制管理簿の作成・保存義務が貨物利用運送事業者にも適用されます(これまでは主に一般貨物元請けに限定)。
変更点4: 書面交付義務等の準用
運送契約締結時の書面交付義務等が、貨物利用運送事業者にも準用されます。
改正の背景
運送業界では以下の問題が深刻化しています:
- 慢性的な人手不足(特に宮城県内では若年層の人口減少が顕著)
- 過当競争による安全軽視
- 事故・法令違反の多発
- 多重下請けによる賃金低下・ドライバー離職
今回の改正は、業界全体の適正化を目的としていますが、2026年4月施行分は入口(新規許可)の直接強化ではなく、取引側・下請け規制が中心となっています。
【2028年度以降予定】さらなる規制強化
2025年6月成立の改正法により、2028年度以降に以下の本格強化が予定されています:
1. 許可の5年更新制
終身許可から移行。安全・財務・労務処遇の審査で更新の可否を判断。
2. 適正原価の告示
事業運営に必要な原価を定め、下回る運賃受託の禁止。
3. ドライバーの適切な処遇確保義務
能力評価に基づく賃金支払い等が義務化。
見通し: これにより、新規・既存事業者のハードルが上がる可能性が高いです。
宮城県全域で新規参入を検討する事業者へのアドバイス
2026年4月時点での状況
新規許可の難易度が劇的に上がるわけではありません。従来の要件をしっかり満たし、実態ある事業計画を提出すれば許可取得は可能です。
必要な要件:
- 運行管理者の選任
- 整備管理者の選任
- 営業所の確保(仙台市、石巻市、大崎市など宮城県全35市町村対応)
- 車庫の確保(営業所との距離要件あり)
- 車両の準備
- 十分な資金 など
宮城運輸支局への申請について
管轄:東北運輸局宮城運輸支局(仙台市宮城野区扇町3-3-15)
対応エリア:
仙台市(青葉区、宮城野区、若林区、太白区、泉区)、石巻市、塩竈市、気仙沼市、白石市、名取市、角田市、多賀城市、岩沼市、登米市、栗原市、東松島市、大崎市、富谷市、蔵王町、七ヶ宿町、大河原町、村田町、柴田町、川崎町、丸森町、亘理町、山元町、松島町、七ヶ浜町、利府町、大和町、大郷町、大衡村、色麻町、加美町、涌谷町、美里町、女川町、南三陸町など宮城県全35市町村
注意すべきポイント
業界全体の適正化圧力(白トラ対策・多重下請け是正)は強まっており、軽貨物からのステップアップや安易な参入はリスクが高いです。
今後の対策
将来的な5年更新制・適正原価ルールを見据え、早めに体制を整備することをおすすめします。
まとめ
2026年改正は取引適正化が中心、新規要件は変わらず
2026年4月1日の法改正は、主に既存事業者の取引適正化と下請構造是正を目的としています。新規許可の要件自体(人的・施設・車両・資金)は大きく変わりませんが、業界全体として適正化が進んでおり、2028年度以降はさらなる規制強化が予定されています。
宮城県内で新規参入を検討される方にとって重要なのは、2026年改正で新規参入の門戸が閉ざされるわけではないという点です。従来通り、運行管理者・整備管理者の選任、営業所・車庫の確保、車両・資金の準備といった基本要件を満たせば、許可取得は可能です。
ただし、将来的な5年更新制(2028年度以降)を見据えると、「とりあえず許可を取る」ではなく、継続的に運営できる実態ある体制を最初から構築することが重要です。特に、社会保険加入義務の遵守、適正な運賃設定、ドライバーの適切な処遇は、今後ますます重視されます。
次回予告【第2回】人的要件を詳しく解説
次回は、人的要件(運行管理者・整備管理者・役員・運転者)について詳しく解説します。人的要件は、新規許可申請で最も重要な審査ポイントの一つです。
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