【宮城県対応】一般貨物自動車運送事業許可|よくある質問(FAQ)まとめ

一般貨物自動車運送事業の許可申請について、弊所へ寄せられるご相談の中から、特に多い質問をまとめました。事業形態の違い・法人設立・共同参入・要件・費用・期間など、幅広いテーマをカバーしています。

目次

事業形態・許可の種類について

Q. 一般貨物(緑ナンバー)と軽貨物(黒ナンバー)は何が違いますか?

軽貨物自動車運送事業(黒ナンバー)は届出制で、軽自動車または125cc超の二輪車を使って貨物を運ぶ事業です。許可ではなく届出で始められるため参入のハードルは低いですが、使用できる車両が軽自動車に限られます。

一方、一般貨物自動車運送事業(緑ナンバー)は許可制で、普通・大型トラックを使って他社の荷物を有償で運ぶ事業です。運行管理者の選任や最低5台の車両確保など要件は厳しいですが、受注できる仕事の規模・種類は大きく広がります。「軽貨物からのステップアップ」でご相談いただくケースも多いですが、要件・審査の内容がまったく異なるため、別物として計画を立てる必要があります。

特定貨物自動車運送事業との違いは何ですか?

特定貨物自動車運送事業は、特定の一社(またはグループ)のみを荷主とする形態です。一般貨物と比べて要件はやや緩やかですが、荷主が変わった場合に許可の変更・廃止が必要になるため、柔軟性の低さが大きなデメリットです。将来的に複数の荷主と取引する予定がある場合は、最初から一般貨物許可を取得することを強くおすすめします。

貨物利用運送事業(いわゆる「水屋」)との違いを教えてください。

貨物利用運送事業は、自社でトラックを持たず、他の実運送事業者に委託して荷物を運ばせる形態です。車両・車庫が不要なため参入しやすい面があります。ただし、2026年4月施行の改正法で実運送体制管理簿の作成義務が拡大されるなど規制は強化される方向です。また、自社車両を持たないため荷主からの信頼を得にくい場面もあります。将来的に自社車両での運送を視野に入れている場合は、最初から一般貨物許可の検討をおすすめします。

ダンプトラックで許可を取ることはできますか?

できます。ダンプトラックは「普通貨物自動車」に区分され、一般貨物自動車運送事業の車両として使用できます。宮城県内では建設資材・土砂運搬の需要が高く、ダンプトラックでの新規参入は珍しくありません。ただし、積載品目によっては廃棄物処理法上の許可が別途必要になる場合がありますので、事前に確認してください。

冷凍・冷蔵車での許可取得はできますか?

できます。冷凍・冷蔵車も普通貨物自動車として許可取得の対象です。ただし食品衛生法に基づく営業許可が別途必要になるケースがある点、冷凍機の維持管理を含む整備体制を事業計画書に具体的に記載する必要がある点に注意してください。


法人設立・共同参入について

個人事業主でも許可を取れますか?法人でなければなりませんか?

個人事業主でも許可取得は可能です。法人・個人を問わず、人的・施設・車両・資金の各要件を満たせば申請できます。ただし、金融機関からの融資を受けやすい・社会的信用が高い・節税効果が見込める・将来の事業承継がしやすいといった観点から、最初から法人(株式会社・合同会社など)を設立して申請するケースも増えています。どちらが適切かは事業規模・資金計画・将来の展開によって異なるため、専門家への相談をおすすめします。

複数の事業者が集まって法人を設立し、一緒に許可を取ることはできますか?

できます。軽貨物ドライバーや個人運送事業者が共同で法人を設立し、一般貨物自動車運送事業の許可を取得するケースは全国的に増えています。各ドライバーが所有・リースしている車両を法人名義に切り替え、法人として5台以上を確保する形が一般的です。ただし以下の点に注意が必要です。

役員全員の欠格事由確認:共同設立の場合、役員全員について過去の行政処分歴・欠格事由の有無を確認する必要があります。

車両名義の整理:各自が所有・リースしている車両を法人として使用できるよう、名義変更やリース契約の変更を事前に整理することが必要です。

資金の一元管理:資金要件は法人全体として審査されます。各自が持ち寄る資金を法人口座に集約し、残高証明として提出できる状態にしておく必要があります。

運行管理者・整備管理者の正式選任:資格者が複数いる場合でも、法人として正式に選任届を提出する必要があります。

手続きが複雑になるため、早い段階で行政書士等の専門家に相談することを強くおすすめします。

法人設立と許可申請、どちらを先に進めるべきですか?

原則として法人設立を先に行います。許可申請は設立済みの法人として申請するため、申請時点で法人が存在している必要があります。会社設立手続きと許可申請の書類準備を並行して進めることで全体のスケジュールを短縮できます。設立と許可申請の両方をまとめて行政書士に依頼するケースも多いです。

既存の別業種の法人で一般貨物許可を取ることはできますか?

できます。建設業・解体業・農業法人など異業種の法人が、事業拡大の一環として許可を取得するケースは珍しくありません。ただし役員に欠格事由がないか、定款の事業目的に「一般貨物自動車運送事業」が含まれているか(含まれていない場合は定款変更が必要)を事前に確認してください。

要件・申請手続きについて

運行管理者の資格がない場合はどうすればいいですか?

運行管理者になるには次のいずれかが必要です。

試験に合格する:国家試験(年2回・CBT方式)に合格して資格者証を取得する方法。合格基準は30問中18問以上の正解(正答率60%以上)かつ各出題分野で最低1問以上・実務知識分野で2問以上の正解が必要です。合格率は過去の公表データで貨物は33〜34%前後です。決して簡単な試験ではないため、模擬問題を使った十分な事前準備が必要です。

実務経験で取得する:運行管理の実務経験5年以上と、その期間中に所定の講習を5回以上受講することで、試験なしで資格者証の交付を受けられます。

許可申請を急いでいる場合は、有資格者を採用・雇用することも選択肢になります

整備管理者は外部の整備工場に委託できますか?

整備管理者は社内に常勤で選任する必要があります。外部工場に「整備管理業務を委託する」という形は認められていません。ただし実際の車両整備(点検・修理)を外部工場に発注することは問題ありません。整備管理者(社内選任者)が外部工場への発注・管理・記録を行う体制として事業計画書に説明することが重要です。

営業所と車庫は同じ場所でなければなりませんか?

同一場所である必要はありませんが、東北運輸局管内(宮城県を含む)では営業所と車庫の直線距離が5km以内であることが要件です。他の地方運輸局管内で申請する場合は基準が異なる場合があるため、管轄の運輸支局で必ず確認してください。

役員法令試験はどのような内容ですか?どう対策すればいいですか?

許可申請後に事業主(役員)を対象として実施されます。出題範囲は貨物自動車運送事業法・道路運送車両法・道路交通法・労働基準法など多岐にわたります。過去問・模擬問題集を繰り返し解くことが最も効果的な対策です。「運送業の経験があるから大丈夫」という油断が不合格の一因になりやすいため、労働基準法・社会保険関係の分野を意識して準備することをおすすめします。不合格の場合、次回試験まで審査が進みません。
また、二回続けて不合格の場合は、許可申請自体が却下処分(取り下げ)となり、再申請することとなります。

申請から許可まで何ヶ月かかりますか?

標準処理期間は約3〜6ヶ月です。書類の補正が多い場合や、農地転用・都市計画法上の手続きが別途必要な場合はさらに長くなることがあります。申請前の準備期間も含めると、事業開始の目標から1年程度前に動き出すことが理想です。

許可取得にかかる費用はどのくらいですか?

費用は法定費用とその他の費用に分かれます。法定費用は登録免許税12万円(法律で定められた固定額)です。これに車両の緑ナンバー変更登録費用・各種申請手数料・行政書士報酬などが加わります。「20〜30万円」と案内される場合は行政書士報酬等との合算額であることが多いため、内訳を明確に確認してください。施設要件の対応で農地転用・定款変更が別途必要になった場合は、それらの費用が加算されます。

許可後の運営について

許可取得後、すぐに営業できますか?

許可通知後にも手続きが続きます。登録免許税の納付・事業用自動車等連絡書の取得・車検証の用途変更登録(白ナンバーから緑ナンバーへの変更)・運行管理者と整備管理者の選任届の提出を経て、はじめて事業開始となります。「許可が出たらすぐ緑ナンバーになる」は誤解ですのでご注意ください。

許可後に車両を増やしたい場合はどうすればいいですか?

事業計画の変更届(事業用自動車の数の変更)を運輸支局に提出する必要があります。増車する場合は追加車両に対応できる車庫面積が確保されているかの確認も必要です。車庫面積が不足する場合は、拡張または新たな車庫の確保が求められます。

2028年度以降の5年更新制とはどういう内容ですか?

2025年6月成立の改正法により、現行の終身許可制から5年ごとの更新制への移行が予定されています(2028年度以降施行予定)。更新時には安全管理・財務状況・ドライバーの処遇などが審査される見込みです。詳細な基準は今後の政省令で定められますが、「許可を取ったら終わり」ではなく、継続的に適正な運営体制を維持することが求められる時代になっています。

適正化事業実施機関の巡回指導とは何ですか?

各県のトラック協会傘下の適正化事業実施機関が、事業者を定期的に巡回して法令遵守状況を確認する制度です。新規事業者には事業開始後比較的早い時期に初回巡回が行われ、点呼記録簿・運行記録・日常点検記録・運転者台帳などの書類管理状況が確認されます。巡回結果は国土交通省にも報告される仕組みで、重大な不備があると行政指導・監査につながることもあります。事業開始と同時に帳票管理を適切に整備してください。

一般貨物とセットで検討すべき関連許可・登録

産業廃棄物収集運搬業許可

産業廃棄物を運搬する場合は、廃棄物の処理及び清掃に関する法律に基づく許可を、都道府県ごとに取得する必要があります。
一般貨物自動車運送事業の許可を取得していても、産業廃棄物を運搬することはできません。これは別制度です。特に以下の事業者は注意が必要です。

  • 解体業者
  • 建設業者
  • スクラップ業者
  • 土木関連事業者
  • 建設副産物を自ら運搬する事業者

宮城県内では、建設業とダンプ運送を併営するケースが多く、一般貨物許可と同時に産業廃棄物収集運搬業許可を取得する事例も見られます。
なお、産廃許可では講習受講・経理的基礎・車両表示・欠格要件確認など、一般貨物とは異なる審査項目があります。事業開始スケジュールを踏まえ、早めの準備が重要です。

倉庫業登録

自社で荷物を保管する場合、一定の条件を満たすと、倉庫業法に基づく登録が必要となることがあります。ポイントは、単なる一時的な仮置きか対価を得て継続的に保管する営業倉庫かという点です。
例えば

  • 荷主から保管料を受け取る
  • 長期保管を前提とする
  • 寄託契約に基づいて管理する

といった場合は、倉庫業登録の対象となる可能性があります。
「運送+保管」をセットで行うビジネスモデルは増えていますが、制度上は別の許認可です。倉庫の構造基準・防火設備・床荷重などの要件もあるため、物件選定の段階から確認することをおすすめします。

まとめ

一般貨物自動車運送事業の許可申請は、人的・施設・車両・資金の各要件をすべて満たしたうえで、書類の整合性・役員法令試験・現地調査をクリアする必要があります。事業形態の選択から法人設立・共同参入まで、準備段階での判断が許可取得後の経営に直結します。宮城県(仙台市・富谷市・石巻市・大崎市・栗原市・登米市・気仙沼市ほか全35市町村)での新規参入をご検討の方は、まずはK-TEC行政書士事務所にお気軽にご相談ください。

あくまで一般的な内容であり、個別の事情によって判断が異なる場合があります。

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この記事を書いた人

Kentaro Oikawaのアバター Kentaro Oikawa 行政書士

K-TEC行政書士事務所 行政書士 及川憲太郎
K-TEC→ケーテックと読みます。事務所名は前職の屋号から
2024年に行政書士登録
行政書士として日々の業務に取り組む傍ら、コラムでは皆さまに役立つ情報を発信しています。どんなことでも気軽にお読みください!

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