【宮城県全域対応】一般貨物自動車運送事業許可|人的要件を徹底解説【第2回】

トラック

一般貨物自動車運送事業の新規許可申請では、人的要件が最も重要な審査ポイントの一つです。人的要件には運行管理者、整備管理者、役員・運転者が含まれます。

これらは貨物自動車運送事業法第7条および関連規則・通達に基づき、安全運行と事業継続性を確保するためのものです。書類上の形式だけでなく、実態が伴う体制であるかが厳しく確認されます。


目次

2026年4月改正の影響について

令和8年(2026年)4月1日施行の改正貨物自動車運送事業法は、違法白トラ対策、再委託努力義務、実運送体制管理簿義務拡大などを目的としています。ただし、この改正は新規許可の人的要件自体に直接的な変更を加えていません。審査基準は従来通りです。

一方で、将来的な5年更新制(2028年度以降施行予定)で継続性がより問われる可能性が高いため、早めの体制整備をおすすめします。

この第2回では、東北運輸局宮城運輸支局の実務を基に、人的要件の詳細基準、実態確認ポイント、よくある不適合事例と回避策について、公式通達・手引きに基づいて詳しく解説します。


人的要件の本質

人的要件は、輸送安全規則に基づき「安全運営できる人材配置」が求められます。単に資格を持っているだけでは不十分で、実際に日常的な管理業務を行える体制が整っているかが審査されます。


運行管理者:安全運行の責任者

基本要件

運行管理者は、営業所ごとに常勤で1名以上の選任が必要です。車両29台までは1名、以降30台ごとに1名を増員します。資格は運行管理者資格者証(貨物)保有者で、基礎講習修了または実務経験者である必要があります。これは輸送安全規則第18条に定められています。

常勤性と実態の確認が重要

運行管理者として最も重要なのは、形式的な資格保有ではなく、実際に常勤して管理業務を遂行できるかという点です。他の事業と兼務していて運送業に専念できない場合は不適合となります。

事業計画書では、点呼実施の具体的方法、運転者指導の体制、運行記録管理の方法を明確に説明する必要があります。抽象的な記載ではなく、「毎朝7時に対面点呼を実施し、点呼記録簿に記録する」「月1回の安全講習を実施し、指導記録を保管する」といった具体的な計画が求められます。

よくある失敗とその対策

よくある不適合事例として、資格だけ取得して配置したものの、点呼・指導体制の説明が不足しているケースがあります。この場合、補正指示が出されて申請が遅延します。

回避策としては、運輸局主催の基礎講習・一般講習を受講後、具体的な計画を立てることです。また、IT点呼システムの活用など、現代的な運行管理手法を取り入れることで、より実態のある計画として評価されます。

仙台市、富谷市、大崎市など宮城県内で新規参入を検討する事業者は、申請前に運輸支局での事前相談を活用することを強くおすすめします。


整備管理者:車両安全の守護者

基本要件と兼任の可能性

整備管理者も営業所ごとに常勤で1名以上の選任が必要です。これは輸送安全規則第19条に定められています。資格は整備管理者選任前研修修了者または自動車整備士資格保有者(実務経験1年以上)で、運行管理者との兼任も可能です。

特に小規模事業者の場合、運行管理者と整備管理者を同一人物が兼任するケースが多くあります。ただし、兼任する場合でも、両方の業務を適切に遂行できる体制が必要です。

実態重視の審査

整備管理者についても実態が重視されます。日常点検の具体的な方法、定期点検の実施体制、外部工場との契約内容、点検記録の管理方法を事業計画書に記述する必要があります。

2026年改正で再委託制限(努力義務)が加わったため、下請けに出す場合の車両整備体制も間接的に影響を受ける可能性があります。自社で整備を行うのか、外部工場に委託するのかを明確にすることが重要です。

宮城運輸支局での確認事項

小規模事業者で運行管理者と兼任する場合、外部工場に整備を委託する体制が一般的です。この場合、外部工場との契約内容を明確にしておく必要があります。

よくある失敗とその対策

よくある不適合事例は、「定期点検を実施する」といった抽象的な説明だけで、具体性が不足しているケースです。どこで、誰が、どのように点検を行うのかが明確でないと、補正指示が出されます。

回避策としては、整備管理者選任前研修を受講し、具体的な整備計画を立てることです。また、日常点検チェックリストのサンプルを事業計画書に添付するなど、具体的な資料を準備することが有効です。

富谷市、名取市、多賀城市など宮城県内の住宅地で事業を始める場合、近隣の整備工場を事前にリサーチし、委託の可能性を確認しておくことをおすすめします。


役員・事業主の適格性

欠格事由の確認

役員には過去の違反歴がないことが求められます。具体的には、使用停止以上の行政処分を6ヶ月から1年以内に受けていないことが条件です。これは法第6条の欠格事由に定められています。

過去に運送業に関わっていた方や、他の会社で役員をしていた方は、過去の違反歴を確認する必要があります。軽微な違反だと思っていても、欠格事由に該当する場合がありますので、事前に運輸支局に確認することが重要です。

法令試験の準備

宮城運輸支局では、法令試験で役員の法令知識が確認されます。この試験は新規許可申請の重要な関門で、不合格の場合は申請が進みません。試験内容は、貨物自動車運送事業法、道路運送車両法、道路交通法、労働基準法など、運送業に関わる幅広い法令知識です。

回避策としては、事前に模擬試験を活用して法令知識を確認しておくことです。運輸支局や行政書士事務所で模擬試験を受けられる場合がありますので、積極的に活用しましょう。

経営者の継続能力

経営者の継続能力は事業計画全体で判断されます。単に資金があるだけでなく、運送業を継続的に運営できる意思と能力があるかが審査されます。過去の事業経験、業界知識、資金計画の妥当性などが総合的に評価されます。

また、社会保険加入義務の遵守も確認されます。運転者を雇用する場合、健康保険、厚生年金保険、雇用保険、労災保険への加入が義務付けられています。これらの加入手続きを適切に行う体制があるかも審査のポイントです。


運転者の確保

必要人数の確認

運転者は車両数以上の常勤確保が必要です。一般貨物自動車運送事業の最低車両数は5台ですので、最低でも5名以上の運転者が必須となります。これは常勤の運転者でなければならず、パートタイムや日雇いは認められません。

運転者確保の課題

運転者の確保は、特に地方では大きな課題です。宮城県内でも、仙台市以外の地域では運転者不足が深刻です。登米市、栗原市、気仙沼市など県北・沿岸部では、運転者の確保に時間がかかる場合がありますので、早めに採用活動を開始することをおすすめします。

社会保険加入の義務

運転者を雇用する場合、社会保険への加入は義務です。健康保険、厚生年金保険、雇用保険、労災保険のすべてに加入する必要があります。これらの保険料は経営者にとって大きな負担となりますが、法令遵守のために必須です。


人的要件と資金要件の連動

人件費の裏付けが必要

人的要件で計画した人員配置は、資金要件と連動して審査されます。運行管理者、整備管理者、運転者の給与、社会保険料、労災保険料などの人件費が、事業開始から数ヶ月分の資金として確保されている必要があります。

例えば、運転者5名、運行管理者1名(兼務)の体制で事業を開始する場合、月額人件費が150万円程度かかるとすると、最低でも6ヶ月分の900万円の人件費が必要資金に含まれます。

実態ある計画の重要性

単に「資格者を配置する」「運転者を確保する」と書くだけでは不十分で、具体的な雇用計画、給与水準、社会保険加入計画、それらを裏付ける資金計画がセットで審査されます。

宮城県内で新規参入を検討する事業者は、人的要件と資金要件を一体として計画することが重要です。行政書士などの専門家に相談し、実態ある事業計画を作成することをおすすめします。


よくある勘違いと回避策

資格・場所を揃えればOKという誤解

最もよくある勘違いは、「資格者を用意して、場所を借りれば許可が下りる」という考えです。実際には、資格者が常勤して実際に管理業務を行える体制、具体的な運行管理・整備管理の方法、それらを裏付ける資金計画が必要です。

回避策としては、宮城運輸支局での事前相談を活用することです。仙台市宮城野区扇町の宮城運輸支局では、新規許可申請の相談を受け付けています。事前相談では、具体的な不足事項や改善点を指摘してもらえますので、申請前に必ず相談しましょう。

2026年改正で要件が激変するという誤解

「2026年4月の改正で新規許可が取れなくなる」という誤解も多く見られます。実際には、改正の中心は白トラ対策や下請け規制で、人的要件の基準自体は変わっていません。

回避策としては、国土交通省の公式Q&Aで正確な情報を確認することです。根拠のない噂に惑わされず、公式情報に基づいて判断しましょう。

小規模事業なら基準が緩いという誤解

「小規模で始めるから基準も緩いだろう」という誤解もあります。実際には、最低5台・5名の基準は変わらず、小規模だからといって運行管理者や整備管理者が不要になることはありません。

回避策としては、最初から最低基準を満たす体制で計画することです。「とりあえず許可を取ってから拡大する」という考えではなく、事業開始時点で適正な体制を整えることが重要です。


次回予告

次回【第3回】では、施設要件(営業所・車庫・休憩睡眠施設)について詳しく解説します。

主な内容:

  • 営業所の都市計画法適合と地目の問題
  • 車庫の前面道路幅員と対策
  • 農地転用の手続き
  • 私道・法定外道路の通行承諾書
  • 宮城県内の具体的な注意点

宮城県全域で運送業の新規参入をお考えの方は、ぜひ次回もご覧ください。


まとめ

人的要件は、形式的な資格保有だけでなく、実態ある管理体制の構築が求められます。2026年改正は人的要件の基準自体を変更していませんが、2028年以降の5年更新制を見据え、継続性を重視した体制整備が重要です。

宮城県全域(仙台市、富谷市、大崎市、栗原市ほか全35市町村)で新規参入を検討される方は、東北運輸局宮城運輸支局(仙台市宮城野区扇町3-3-15)での事前相談と、行政書士等の専門家への相談を強くおすすめします。


相談先・お問い合わせ

東北運輸局宮城運輸支局
住所:仙台市宮城野区扇町3-3-15

新規参入時は、宮城県全域対応の行政書士等の専門家に相談することを強くおすすめします。安全第一で業界に貢献しましょう。

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この記事を書いた人

Kentaro Oikawaのアバター Kentaro Oikawa 行政書士

K-TEC行政書士事務所 行政書士 及川憲太郎
K-TEC→ケーテックと読みます。事務所名は前職の屋号から
2024年に行政書士登録
行政書士として日々の業務に取り組む傍ら、コラムでは皆さまに役立つ情報を発信しています。どんなことでも気軽にお読みください!

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