「墓じまいで失敗しないための全知識|全国対応の行政書士が改葬許可・離檀・費用・寺院交渉を徹底解説」

宮城・富谷市の行政書士が解説する改葬手続き・寺院との交渉・費用相場・付随業務の解説ガイド

目次

はじめに

近年、テレビや新聞でも「墓じまい」という言葉が日常的に登場するようになりました。
お墓は家族やご先祖とのつながりを象徴する大切な場所ですが、少子高齢化・核家族化・生活拠点の移動などによって、「墓を守り続けること」が物理的にも経済的にも難しいご家庭が増えています。

墓じまいは単なる「墓石の撤去」ではなく、宗教儀礼・寺院や霊園との契約解除・行政手続き・戸籍収集といった、複数の要素が組み合わさった総合的な事業です。
さらに、物理的な遺骨の移動や、遠方に住むご親族への連絡など、付随する事務作業も少なくありません。

本記事では、行政書士として全国対応している立場から、墓じまいの全工程費用の目安、そして実務での注意点を徹底的に解説します。
また、遠方からのご相談や付随する業務にも対応できることを具体的にお伝えします。

墓じまいとは

墓じまいとは、現在のお墓を閉じて、そこにある遺骨を別の安置先に移すことを指します。
安置先はさまざまで、屋内型の納骨堂や合同供養墓(永代供養墓)、樹木葬、散骨など、ライフスタイルや宗教観に合わせて選ぶことができます。

墓じまいを検討する理由は主に以下の通りです。

  • 跡継ぎがいない、または将来的に不在になる見込み
  • 墓地が遠方で管理が困難
  • 維持費(管理料・寄付金など)が経済的に負担
  • 寺院との付き合いを終了したい(離檀)
  • 他のご親族が既に改葬している

これらの背景には、「残された家族への負担軽減」という共通の思いがあります。

墓じまいに必要な主な工程

墓じまいは大きく分けると以下のステップを踏みます。

  1. 現墓地の管理者(寺院・霊園)への相談
  2. 新しい埋葬先の決定
  3. 寺院墓地の場合は離檀の手続き
  4. 行政への改葬許可申請
  5. 閉眼供養(魂抜き)
  6. 墓石の撤去・更地化
  7. 遺骨の移動
  8. 新埋葬先での納骨・開眼供養(魂入れ)
  9. 関係親族への報告や連絡

これらの手順は順序を間違えると手続きが進まないこともあるため、事前計画が非常に重要です。


寺院とのやり取りと

寺院墓地にお墓がある場合、まず行うべきは寺院への相談です。
特に「離檀」にあたっては、感情面・経済面の両方で丁寧な対応が求められます。

離檀の申し出方

  • 直接訪問して事情を説明するのが望ましい
  • 遠方の場合は電話連絡の上、書面を送付する方法も可能
  • 「お世話になった感謝の言葉」を添えることで円滑に進むことが多い

離檀料

離檀料は法律で定められていませんが、寺院の多くは慣習として請求します。
相場は数万円〜数十万円ですが、金額は寺院や地域によって大きく異なります。
過去のお布施や寄付の有無も影響します。

閉眼供養

閉眼供養(魂抜き)は、墓石から故人の魂を抜く宗教儀式です。
僧侶を呼び、読経を依頼します。お布施の目安は3〜5万円程度です。
これを行わずに撤去工事をするのは避けましょう。


行政手続き:改葬許可申請

墓じまいの核心部分となるのが「改葬許可申請」です。

改葬の定義

改葬とは、現在の墓地から遺骨を他の墓地や納骨堂などに移すことを指します。
「墓地、埋葬等に関する法律」により、改葬には市区町村長の許可が必要です。

手続きの順序

  1. 新しい埋葬先を決定(受入証明書を取得)
  2. 現墓地の管理者から埋葬証明または使用承諾印をもらう
  3. 改葬許可申請書を作成
  4. 市区町村役場に申請
  5. 改葬許可証を交付してもらう
  6. 新埋葬先に改葬許可証を提出して納骨

必要書類

  • 改葬許可申請書(役所指定様式)
  • 現墓地管理者の埋葬証明または承諾印
  • 新埋葬先の受入証明書
  • 戸籍謄本(被葬者と申請者の親族関係証明)

戸籍謄本収集の注意点

行政書士として特に注意を促すのが、戸籍謄本の範囲です。

改葬許可のための戸籍は、被葬者の生まれてから亡くなるまでの全戸籍を連続して揃える必要があります。

  • 除籍謄本
  • 改製原戸籍
  • 現行戸籍

これらを出生から死亡まで切れ目なくそろえることで、申請者との続柄が証明されます。
本籍が複数回変わっている場合は、その都度の本籍地役所から取り寄せる必要があります。


墓じまい費用の詳細と実例

墓じまいにかかる費用は大きく以下の要素で構成されます。

  • 寺院関連費用
    • 離檀料:数万円〜数十万円(地域差あり)
    • 閉眼供養のお布施:3〜5万円程度
  • 行政手続き費用
    • 戸籍収集費用(役所手数料、郵送費など)
    • 行政書士報酬(3〜10万円程度が目安)
  • 墓石撤去・工事費用
    • 1㎡あたり10〜15万円が一般的
    • 重機搬入不可や階段・坂道がある場合は追加費用
  • 遺骨の移送費用
    • 遠方の場合は配送費(宅配便不可、専門運搬業者を利用)
  • 新埋葬先費用
    • 永代供養墓:5万〜30万円
    • 納骨堂:10万〜50万円
    • 樹木葬:15万〜50万円
    • 散骨:5万〜20万円(海洋散骨など)

実例1:地方寺院から都市部納骨堂への改葬

  • 離檀料:10万円
  • 閉眼供養:3万円
  • 墓石撤去:30万円(2㎡)
  • 遺骨運搬:5万円
  • 新納骨堂:30万円
  • 戸籍収集・行政書士報酬:6万円
    合計:約84万円

実例2:公営霊園から同市内の永代供養墓へ

  • 離檀料:なし(公営のため)
  • 閉眼供養:3万円
  • 墓石撤去:20万円
  • 遺骨移動:0円(自家用車)
  • 永代供養墓:15万円
  • 行政書士報酬:5万円
    合計:約43万円

新しい埋葬先の種類と特徴

墓じまい後の遺骨は必ず安置先を確保する必要があります。
安置先によって費用・管理方法・宗教条件が大きく異なります。

永代供養墓

  • 寺院や霊園が永続的に供養
  • 後継ぎ不要
  • 合同供養が基本(個別管理は一定期間まで)

納骨堂

  • 屋内型で天候に左右されない
  • 駅近などアクセス良好
  • 個別安置期間終了後は合同墓へ移動することも

樹木葬

  • 自然志向
  • 墓石の代わりに樹木や花
  • 永代供養付きが多い

散骨

  • 海洋散骨や山林散骨
  • 法的制約は少ないが条例やマナーに注意
  • 実務上は専門業者に依頼が安心

全国対応・遠方からの依頼方法

当事務所では全国対応で墓じまいをサポートしています。
遠方在住の方からの依頼も、以下のようにスムーズに進められます。

  1. 電話・オンライン相談
    Zoomや電話で現状と希望をヒアリング
  2. 書類の郵送受け取り
    委任状・本人確認書類を郵送でやり取り
  3. 現地関係者との連絡代行
    寺院・霊園・役所との調整を一括代行
  4. 進捗報告
    写真・書面で進行状況を共有
  5. 完了報告と証明書送付

遠方からの依頼は「現地に行かずに完了」できる場合も多く、特に高齢の方や海外在住の方に喜ばれています。


付随する事務手続きも一括対応

墓じまいに伴い発生する事務作業は想像以上に多いです。
当事務所では以下もサポートしています。

  • 墓所清掃・雑草除去
  • 閉眼供養時の立会い
  • 遺骨の丁寧な移動(専用輸送)
  • 親族間の連絡代行(電話・メール・書面)
  • 改葬許可証の提出代行
  • 新埋葬先での納骨立会い

これらを一括して行うことで、依頼者の負担を最小限にできます。


トラブル事例と回避策

墓じまいでは以下のようなトラブルが実際に発生しています。

  1. 寺院との金銭トラブル
    • 離檀料の金額でもめる
    • →事前に相場や支払い方法を確認し、書面で残す
  2. 親族間の意見対立
    • 改葬先や費用負担でもめる
    • →早期に全員へ情報共有し、議事録を残す
  3. 書類不備による手続き停滞
    • 戸籍がつながらない
    • →出生から死亡までの戸籍を漏れなく取得
  4. 工事遅延
    • 天候や業者都合で延期
    • →余裕を持ったスケジュールを組む

行政書士に依頼するメリット

  • 面倒な戸籍収集を代行
  • 改葬許可申請を正確に作成
  • 寺院や霊園との交渉を第三者として行う
  • 遠方からの依頼でも現地対応可能
  • トラブル回避のための法的知識と経験

まとめ

墓じまいは、精神的にも手続き的にも大きな負担を伴う行事です。
しかし、正しい順序で進めれば、トラブルや余計な費用を回避しつつ、故人を丁寧に送り出すことができます。

当事務所では全国対応で、遠方からのご依頼もオンラインと郵送でスムーズに進行できます。
改葬許可申請から寺院とのやり取り、墓の清掃、お骨の移動、ご親族への連絡まで、ワンストップでのサポートが可能です。

ご相談は早ければ早いほど、選択肢も費用面も有利になります。
「どこから手を付けていいかわからない」という段階でも、お気軽にご連絡ください。

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この記事を書いた人

Kentaro Oikawaのアバター Kentaro Oikawa 行政書士

K-TEC行政書士事務所 行政書士 及川憲太郎
K-TEC→ケーテックと読みます。事務所名は前職の屋号から
2024年に行政書士登録
行政書士として日々の業務に取り組む傍ら、コラムでは皆さまに役立つ情報を発信しています。どんなことでも気軽にお読みください!

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