「専門家と連携してスムーズに相続手続きを進める」— 行政書士が身近な相談窓口に

相続相談

「専門家と連携してスムーズに相続手続きを進める」— 行政書士が身近な相談窓口に

目次

1. 行政書士が窓口となるメリット

相続手続きには、さまざまな専門的な知識と手続きが関わりますが、何から始めたら良いかわからない方が多いのが実情です。そこで、最初の窓口として行政書士を活用するメリットが際立ちます。行政書士は、身近な法務の専門家として書類作成や基本的な相続手続きに対応できるため、「まず何をすべきか」「誰に相談すべきか」といった初期段階の不安を解消できます。

行政書士に相談することで、手続きの全体像を把握しやすく、各専門家が担う役割についても整理できます。例えば、相続に必要な書類や手続きを整理し、依頼者が一歩ずつ安心して進められる体制を整えることで、スムーズに手続きを開始することが可能です。

2. 行政書士が行う具体的な業務

行政書士は、相続手続きにおいて多くの業務を担います。ここでは、行政書士が行える具体的な業務内容について詳しく紹介いたします。

  • 法定相続情報一覧図の作成および申請
    法定相続情報一覧図は、法務局で取得できる相続関係の証明書類で、相続手続きに役立つ書類です。行政書士は一覧図の作成に必要な戸籍収集から申請手続きまでを代行し、依頼者の負担を軽減します。特に、複雑な戸籍の取り寄せが必要な場合でも、専門的な知識を活かしてスムーズに進めます。
  • 相続関係説明図の作成
    相続関係説明図は、被相続人と相続人の関係を図式化したもので、主に金融機関での手続きや相続関係の説明に活用されます。複数の相続人がいる場合や数次相続が絡む場合、この図の作成には複雑な戸籍確認が必要です。行政書士は、これらの書類を整理し、相続関係をわかりやすく図式化することで、関係者全員が手続きの流れを理解しやすくサポートします。
  • 相続人調査
    相続人調査は、被相続人の出生から死亡までのすべての戸籍を確認し、相続人の範囲を明確にするための重要な手続きです。特に被相続人が長生きした場合や、再婚や子の認知が絡む場合、調査が非常に煩雑になります。行政書士は、戸籍の専門的な知識を活かして正確かつ迅速に相続人調査を行い、漏れのない手続きをサポートします。
  • 遺産分割協議書の作成
    遺産分割協議書は、相続人間での財産分配の合意を明文化した重要な書類で、金融機関での相続手続きや不動産名義変更に必須です。相続人全員が納得した内容での作成が必要で、行政書士がその意向を反映しながら、法的要件に基づいて適切に作成いたします。
  • 相続財産の目録作成
    相続財産の全容を把握するための財産目録を作成し、相続人全員にとって分かりやすい形に整理します。銀行口座や不動産、株式などの各種財産を一覧化し、手続きを円滑に進めるための基礎資料を提供します。
  • 預貯金解約のための書類作成サポート
    銀行や証券会社の手続きには、被相続人名義の口座を解約するための書類が必要です。行政書士は、解約手続きに必要な書類の準備をサポートし、金融機関ごとの要件に合わせて適切に書類を整えます。相続手続きに必要な細かい準備を行うことで、依頼者が手続きをスムーズに進められるよう支援します。
  • 相続登記の必要書類収集サポート
    相続登記に必要な書類は行政書士が収集・準備し、登記申請は司法書士に依頼する形でサポートを行います。行政書士が手続きを整えた上で司法書士に連携することで、相続人が一度の相談で相続登記の準備を整えやすくなります。

このように、行政書士は相続に必要な書類の整備や基礎的な手続きを担当し、依頼者の負担を軽減するためのサポートを提供します。行政書士が対応することで、煩雑な手続きを段階的に進めることが可能になります。

3. 他士業との連携と行政書士が行えない業務

相続には、行政書士だけでは対応できない業務も多く含まれています。たとえば、不動産の名義変更(相続登記)は、法務局への登記申請が必要で、これは司法書士の専門領域です。また、相続税の申告は税理士に依頼する必要があります。こうした手続きが発生した場合でも、行政書士が窓口となり、必要な他士業と連携することで、依頼者がスムーズに手続きを進められる環境を整えます。

  • 司法書士との連携:不動産の名義変更
     不動産の名義変更にあたっては、相続登記が必要です。この登記手続きは行政書士では行えないため、司法書士のサポートを受けることが必要です。行政書士が不動産の目録や法定相続情報一覧図の作成をサポートし、登記が必要な段階で司法書士をご紹介することで、スムーズな名義変更を実現します。
  • 税理士との連携:相続税の申告
     相続財産が一定額を超える場合には、相続税の申告が必要です。行政書士は財産目録の作成を行いますが、相続税の計算や税務申告は税理士の専門分野です。税理士との連携により、相続税の申告を円滑に進めるサポート体制が整います。
  • 弁護士との連携:相続争いなどの調停・訴訟
     相続人間での紛争やトラブルが発生した場合、法的な調停や訴訟の対応には弁護士の力が必要です。行政書士は、相続人間のトラブルが発生した際、弁護士と協力し、必要に応じてサポートいたします。
  • 不動産鑑定士・土地家屋調査士との連携(不動産の評価や境界確定)
     相続財産に不動産が含まれている場合、その評価が相続税額に大きく影響します。不動産の適正な評価が求められる場合、不動産鑑定士のサポートが必要です。また、土地の境界線に関して問題がある場合は、土地家屋調査士が境界確定作業を行います。不動産鑑定士は不動産の市場価格や適正な評価額を提供し、土地家屋調査士は土地の境界確認を行うことで、不動産に関するトラブルや将来的なリスクを軽減します。こうした士業との連携により、正確な評価とトラブルのない不動産引き継ぎが可能となります。

こうした他士業との連携により、依頼者は複数の専門家のサポートを一度の相談で得られ、各分野における適切な対応をワンストップで受けることができます。行政書士が相談の窓口となり、依頼者の不安を軽減することが可能です。

4. 不動産の処分や活用に関する不動産会社やハウスメーカーとの提携

相続した不動産をどのように活用すべきか、または売却するか迷われている方も少なくありません。特に、不動産の処分や活用について具体的なご相談がある場合には、行政書士が提携するハウスメーカーと協力して対応いたします。

  • 土地や建物の活用
    相続した土地に住宅やアパートを建て、賃貸収入を得るといった活用方法のご提案が可能です。ハウスメーカーと連携することで、土地や建物の有効活用について、具体的なプランニングや建築の相談ができます。
  • 不動産の売却サポート
    遠方に住んでいる場合や、活用の見込みがない場合には不動産の売却を検討することもあります。行政書士が提携する不動産業者やハウスメーカーと連携し、売却に関する具体的な手続きをサポートします。

不動産の処分や活用についても、行政書士が最初の相談窓口として依頼者の希望や状況に応じた提案ができるため、依頼者にとって手続きを円滑に進められるメリットがあります。

まとめ

相続手続きは煩雑で負担が大きく、何から手をつければよいかわからない方も多いですが、行政書士はその不安を軽減する身近な窓口です。相続に必要な書類の収集や作成、遺産分割協議書の作成、財産目録の整理などを担当し、依頼者がスムーズに手続きを進められるようサポートします。また、相続登記や税申告など行政書士が行えない業務については、司法書士や税理士と連携し、ワンストップで対応できる体制を提供しています。不動産の処分や活用の際には、ハウスメーカーとも提携しており、依頼者にとって最適な解決方法を提案できるのも行政書士の強みです。まずは行政書士に相談することで、安心して相続手続きを進める一歩が踏み出せます。

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この記事を書いた人

Kentaro Oikawaのアバター Kentaro Oikawa 行政書士

K-TEC行政書士事務所 行政書士 及川憲太郎
K-TEC→ケーテックと読みます。事務所名は前職の屋号から
2024年に行政書士登録
行政書士として日々の業務に取り組む傍ら、コラムでは皆さまに役立つ情報を発信しています。どんなことでも気軽にお読みください!

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